「うぉーい!の野郎はどこ行ったァ!!」
ラウンジに響き渡った声に、三人がポーカーの手を止めて振り返る。
ロッドが、手札を眺めながら応じた。
なら、先週から故郷に帰っちまいましたよ。有給使って」
「何ィ!?誰が許可した、んなモン!?」
「隊長です」
あっさりとマーカー。
「最近任務もなくて暇だからと、話半分でサインしておられましたが」
「そうだったかァ?」
こくり、とGが頷く。
「んーで、いつ帰ってくんだよ?あのブラジリアンは」
「あぁ、それなら…」
マーカーがテレビに目線を移す。
「そろそろ…でしょ〜ねぇ…」
苦笑交じりにロッド。
「アん?テレビがどうしたって…」

──ごとり。


「うぉわッツ!何だァ!?」
突然テレビの上に落ちてきたモノに、身を引くハーレム。
ずるり、と黒い塊が床に落ちた。
やがて、ソレはゆらりと立ち上がり……言葉を発した。

「───只今……帰還し候」

彼の背後では、スポースニュースが今年のサッカーW杯の結果を、大々的に報じていた。


──王者ブラジル、一回戦敗退──









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