「隊長………これは?」
「あン?決まってんじゃねーか!夢を乗せて飛ぶロケットだぜェ!」
「どう見ても攻撃用大型ミサイルですが」
特選部隊飛空艦、弾薬ミサイル収納庫。
ようやく我に返ったが気付いた時には、彼は既に“それ”の中だった。
要約:時既に遅し。
「とりあえず降ろして頂けませんか」
「な〜に言ってンだ!これから楽しい任務だッてのによう!」
「その任務とは所謂『神風特攻』ですか」
「部下想いの俺がそんな酷い事考えてるように見えるゥ?」
「何考えてるんだかさっぱり解りません。むしろ何となく想像はつきますが解らないままでいさせて下さいていうかとりあえず降ろせ」
「ギャハハハハ〜!───、」
「何でしょうハーレム隊長」
「───Good Luck!」
そう言って立てたるは、親指。
正に待った無しの大進撃。
ガチャン、という空しい音とともに、の運命は定まった。
震度7の振動。
暗く分厚い壁の向こうから、微かに座標確認の電子音が聴こえた。
続いて、陽気な獅子舞の合図。
「野郎共ッ!狼煙を上げやがれェッツ!!」
視界オールクリア、方角・南南西。
かくして、を乗せた黒い筒は、遥か南の彼方、地図にない島を目指して───飛び立った。
──Heaven or hell?
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